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転職で年収が下がるのってアリ?許容範囲は?後悔しない転職の秘訣をご紹介

「転職したいけど、年収が下がってしまうのが怖くてなかなか踏み出せない…」そんな思いを抱えている人はいませんか?

たしかに、転職で年収が下がってしまうことはあります。けれど年収が下がってしまう理由をきちんと把握して、対策しておけば防げる可能性も高くなります。

もし下がってしまったとしても、許容範囲を自分の中で決めておけば、転職してから後悔することは少なくなるでしょう。

今回は、年収が下がってしまう理由とその対処方法、後悔しない転職や給与交渉の秘訣について解説します。

    転職での年収ダウンはどこまでが許容範囲か?

    転職するなら、現職よりも高い年収で内定をゲットしたいですよね。

    ですが、必ずしもうまくいくとは限りません。時には希望年収より下がってしまうこともあります。

    厚生労働省が発表した、「令和2年雇用動向調査結果の概況」で、転職後による年収の変化にどのような傾向があるかを確認できます。

    (「令和2年雇用動向調査結果の概況」『表7 転職入職者 1)の賃金変動状況別割合』を元に作成)

    この結果を見ると、年代別に以下のような割合で転職後年収が下がった人がいることがわかります。

    • 20代:20%〜30%程度
    • 30代:30%程度
    • 40代:28%程度

    転職後に年収が上がった人の方が割合としては多いですが、年収が下がってしまう人が一定数いるのも事実です。

    転職する際の心構えとして、もし年収が下がってしまったとしても「この程度ならOK」という許容範囲を決めておけば、転職してから「こんなはずではなかった…」と後悔することが少なくなるでしょう。

    では、一般的に転職での年収ダウンはどこまでが許容範囲とされているのか、解説していきます。

    一般的な許容範囲は「10%以内」

    一般的には、年収ダウンの許容範囲は「10%以内」と言われています。

    たとえば年収360万円なら324万円、月収30万円なら27万円くらいまでが妥当と言えるでしょう。それ以上下がってしまうと、モチベーションが上がらなかったり、生活が苦しくなったりということもあるので、注意が必要です。

    生活レベルも考慮に入れて

    年収が下がれば、家賃、娯楽や趣味、食費など生活面にさまざまな影響を及ぼします。

    一般的に、家賃は給与の3割までに抑えるのが良いとされています。

    月の手取りが30万円であれば、家賃に10万円まで使える計算になります。転職して年収が下がり、月の手取りが25万円になれば、引っ越しをして家賃を8万円程度に抑える選択も検討しなければなりません。

    年収が下がれば無理な倹約をしても長続きしなかったり、ストレスを溜めてしまっては元も子もありません。生活レベルを下げたとしても10%以内を目安として、現実的なプランを立てましょう。

    「年収が下がってもOKライン」を決めておこう

    前述の通り、年収が下がるのはできるだけ避けたいですが、時にはやむを得ないこともあります。

    そんな時は、自分の中で以下の2点をポイントに、許容範囲を決めておくと納得のいく選択ができるでしょう。

    • 年収の額面(-10%を目安に)
    • 年収以外の付加価値

    「年収以外の付加価値」とは、やりがいや将来性など、自分のキャリアにとってプラスになると思われる要素を指します。

    • やりがいがある
    • スキルが身に付く
    • 勤務時間や勤務形態など融通が効く
    • 希望していた仕事、業界で働ける

    上記のような付加価値があると判断できれば、年収が下がったとしても納得のいく転職ができるでしょう。

    転職で年収が下がってしまう理由

    転職で年収が下がってしまうケースには、どのようなものがあるのでしょうか。

    転職ダウンの理由を把握しておけば、それを防ぐ対策を取りやすくなります。

    この章では、転職による年収ダウンの理由とその対策について解説します。

    経験・スキルが正当に評価されていない

    経験やスキルが正当に評価されていないと、低い年収を提示されることもあります。

    また、現職の年収が低いと能力も低いと思われてしまい、年収が下がるケースもあります。

    適切に評価をしてもらうためには、選考時に経験やスキル、将来性をしっかりアピールすることが肝心です。

    未経験業界・職種への転職

    中途採用では基本的に、即戦力として人材を募集しています。経験を重視されることが多いため、未経験の職種や業界への転職だと即戦力ではなくなり、内定が出たとしても年収は低くなる傾向にあります。

    未経験職種へのチャレンジで年収が下がってしまうことは、ある程度は仕方ないと言えます。ですが、年収の下がりすぎを防ぐためにも、これまでに培ったスキルを希望職種にも活かせることをしっかりとアピールしましょう。

    給与・賞与・評価制度・ポジションが変わった

    給与制度は企業によって異なります。

    月給の額面は前職(現職)と同じに見えても、賞与が少ない等の理由で年収が下がってしまうケースもあり得ます。

    また、前職でインセンティブにより高い年収を得ていた場合、インセンティブ制でない会社に転職して給料が下がってしまう可能性もあります。

    転職する際は、応募先企業の給与制度についてよく確認しておきましょう。

    選考時の交渉不足

    選考時に提示された年収が前職より低くても、なかなか交渉できずに転職してしまうケースもあります。

    特に1人で転職活動をしていると、気後れしてしまい交渉しづらいということもあるでしょう。年収の交渉をすること自体は悪いことではありませんので、自信を持って交渉しましょう。

    なかなか勇気が出ないという人は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェント経由で応募した求人で、希望より低い年収を提示されたら、転職エージェントの担当者に交渉を依頼してみましょう。

    年収交渉できるか不安、という人はぜひ転職エージェントを利用してみてください。

    おすすめの転職エージェント:リクルートエージェント

    年収を下げたくない!転職先選びで気をつけること

    転職して年収が下がるケースもあるとはいえ、できるだけ年収を下げたくありませんよね。転職するなら、少しでも現職より年収を上げたいと思うのは当然の心理です。

    年収アップの可能性を上げるためにどのような基準で応募先を選べばいいのか、以下より解説します。

    平均年収が高めの業界・企業に応募する

    平均年収が高めの業界や企業に応募すれば、年収アップの可能性も上がります。

    2020年に発表された厚生労働省の調査「民間給与実態統計調査」をもとに、平均給与の高い業界TOP5を一覧表にしました。

    業界 平均給与
    電気・ガス・熱供給・水道業 824万円

    【内訳】

    平均給料・手当:674万円

    平均賞与:151万円

    金融業、保険業 627万円

    【内訳】

    平均給料・手当:483万円

    平均賞与:144万円

    情報通信業 599万円

    【内訳】

    平均給料・手当:485万円

    平均賞与:113万円

    (「令和元年分 民間給与実態統計調査」『(第 13 図)業種別の平均給与』をもとに作成)

    応募の前に、転職を希望する会社や業界の平均年収を調べてみましょう。企業の採用ホームページや求人情報、「年収図鑑」などの各種データからチェックできます。

    年収図鑑で各企業の平均年収をチェックする

    成長企業・業界に転職する

    成長している企業や業界であれば、年収がアップする傾向にあります。

    入社時に年収が現職より低くても、すぐにアップする可能性もあり、その将来性を見越して転職するのも選択肢の1つです。

    一般的には、IT、医療・介護、建設、インターネット広告業界が成長過程にあると言われています。転職活動の参考にしてみてください。

    年収図鑑で業界別に企業の平均年収をチェックする

    できれば年収アップしたい!後悔しない転職のコツ

    年収アップ転職のために、選考過程で気をつけるべき点について解説します。

    スキル、経験を適切に評価してもらう

    前述の通り、現職でのスキルや経験を適切に評価してもらえなければ、年収が下がってしまう可能性があります。

    未経験職種であっても、現職でのスキルを応用できる可能性は十分にあります。自分のスキルや経験を棚卸しし、応募先企業にしっかりとアピールしましょう

    給与交渉をする

    提示された年収が現職や希望より低い場合は、思い切って交渉しましょう。

    交渉せずに転職してしまうと、転職後に不満が出てきてしまうこともあります。最終的に希望年収に届かなかったとしても、納得のいく転職をするために交渉することをおすすめします。

    いきなり交渉するのではなく、自分のスキルをしっかりアピールして企業に貢献する姿勢を見せたうえで交渉することをおすすめします。

    転職エージェントを利用する

    納得のいく転職をするためには、まずスキルの棚卸しやキャリアプランを作成する必要があります。転職エージェントに登録して、キャリアについて相談してみましょう。

    転職エージェントでは応募書類のアドバイスや面接対策をしてくれますので、選考時のアピール方法を学べるでしょう。

    非公開求人を紹介してくれる場合もあるので、選択肢の幅も広がります。気になる企業や求人があれば、詳細を担当者に確認しましょう。

    提示された年収に納得いかない時は、「言い出しづらいから」と諦めてしまわず、エージェントに交渉の依頼をしましょう。

    転職エージェント経由で応募すると、面接日程などの調整を担当者が行ってくれます。働きながらの転職で時間がなかなか取れない場合でも、効率よく転職活動できるという点もメリットです。

    <おすすめ転職エージェント>

    リクルートエージェント

    リクルートエージェントでは、無料で転職支援サービスを利用できます。転職の意志が固まっていなくても、まずは登録して相談だけでもしてみることをおすすめします。

    まとめ

    年収だけが転職成功の条件ではありませんが、年収の下がりすぎも防ぎたいですよね。

    未経験分野への転職でやむを得ず年収が下がってしまう場合でも、-10%程度を目安にすることをおすすめします。

    能力を適切に評価してもらえなかったり、年収交渉ができなかったりすると年収が下がってしまうおそれがあります。転職エージェントも活用して、少しでも有利になるよう転職活動を進めましょう。

    本記事を参考に、転職で年収が下がってしまう理由やそれを防ぐ対策方法を把握し、後悔のない転職の第一歩になれば幸いです。

    Aki

    IT業界を渡り歩き、SaaS製品の営業とカスタマーサクセスを担当。現在ではライターとして、ビジネス・キャリア系を中心に記事を執筆しています。

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