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中小企業の平均年収は?年収を下げずに転職するコツ

中小企業での仕事は、「チャレンジングな事業が多い」「自分の裁量が大きい」などのイメージがあり、中小企業への転職に興味がある人は多いのではないでしょうか。

中小企業に転職する際、気になるのは年収です。

「転職したいけど、年収が下がってしまうのは嫌だ」という人のために、今回は中小企業の平均年収について解説します。

  • 中小企業における年齢別・男女別の平均年収
  • 平均年収の高い中小企業ランキング
  • 年収を下げずに中小企業に転職するコツ

上記について解説しているので、ぜひ中小企業への転職の参考にしてみてください。

    中小企業の定義と平均年収

    最初に、中小企業の定義と平均年収について解説します。

    中小企業庁によると、中小企業は以下のように定義されています。

    業種分類 中小企業基本法の定義
    製造業その他 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は

    常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

    卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は

    常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

    小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は

    常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

    サービス業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は

    常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

    (引用:中小企業・小規模事業者の定義

    厚生労働省の調査によると、中企業の平均年収は299万8千円、小企業は279万9千円でした。

    男女別の中小企業の平均年収は以下の通りです。

    企業分類 男性の平均年収 性の平均年収
    中企業 328万円 252万円
    小企業 303万円 235万円

    (参照:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査

    年代別・中小企業の平均年収(20代・30代・40代・50代)

    中企業、小企業の平均年収を、厚生労働省のデータをもとに一覧表にしました。

    <男性の平均年収>

    企業分類 20代 30代 40代 50代
    中企業 228万円 296万円 362万円 404万円
    小企業 224万円 282万円 330万円 325万円

    <女性の平均年収>

    企業分類 20代 30代 40代 50代
    中企業 220万円 250万円 270万円 277万円
    小企業 209万円 235万円 246万円 252万円

    (厚生労働省 企業規模別にみた賃金より算出 小数点切り捨て)

    平均年収の高い中小企業ランキング

    中小企業のなかでも、企業によっては平均よりもはるかに年収が高い企業もあります。

    年収図鑑のデータをもとに、平均年収が高い中小企業をランキングにしました。

    <従業員規模1人〜50人の企業>

    企業名 平均年収
    株式会社フライウォール 1,208万円
    ブライトパス・バイオ株式会社 1,018万円
    株式会社Payke 997万円
    ナノキャリア株式会社 844万円
    株式会社新日本建物 842万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    <従業員規模50人〜100人の企業>

    企業名 平均年収
    Ubie株式会社 1,186万円
    株式会社Synspective 1,097万円
    マネーツリー株式会社 1,083万円
    シック・ジャパン株式会社 1,082万円
    HEROZ株式会社 999万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    <従業員規模101〜300人の企業>

    企業名 平均年収
    三井海洋開発株式会社 1,173万円
    ヒューリック株式会社 1,120万円
    株式会社ブイ・テクノロジー 1,074万円
    スマートニュース株式会社 1,057万円
    株式会社U-NEXT 1,034万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    年収図鑑では、従業員規模ごとの平均年収ランキングをチェックできます。

    業種や職種でも企業を絞り込めるので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください。

    年収図鑑で中小企業の平均年収ランキングをチェックする

    中小企業でも平均年収が高い業界・企業ランキング

    平均年収が高い業界であれば、その業界に所属する中小企業の年収も高くなる傾向にあります。

    厚生労働省の調査によると、平均年収の高い業界は以下の3つです。

    • 公共インフラ(電気・ガス)
    • 金融、保険業
    • 情報通信業

    それぞれの平均年収と、業界の基礎知識を解説します。

    公共インフラ(電気・ガス)

    公共インフラとは、電気やガス、熱供給、水道など、私たちの生活をささえる設備や施設のことを指します。平均年収は業界中では最も高く、約419万円です。

    公共インフラ業界の職種は、営業や事務、人事などのビジネス職と、発電設備の計画や運用、メンテナンスを行う技術職とがあります。

    公共インフラ業界の中小企業の平均年収を、年収図鑑のデータをもとにランキングにしました。

    <公共インフラ/従業員規模1〜50人の企業>

    企業名 平均年収
    株式会社エフオン 1,760万円
    明和エンジニアリング株式会社 1,330万円
    株式会社Kエナジー 745万円
    株式会社VISION 660万円
    鳥栖ガス株式会社 510万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    年収図鑑で公共インフラ業界の中小企業の平均年収をチェックする

    金融・保険業

    金融業は、銀行や証券、クレジットカード、不動産金融など、お金に関するサービスや商品を扱っている業界です。

    保険業では、生命保険や損害保険などの保険を扱っています。

    金融業における職種は、営業や事務のほか、ファイナンシャルプランナーやアナリスト、コンサルタントなどの専門職です。保険業の職種は、営業や事務のほかに保険商品の開発企画を行う職種があります。

    金融業・保険業の平均年収は業界の中でも2番目に高く、約383万円です。

    金融・保険業界の中小企業の平均年収を、年収図鑑のデータをもとにランキングにしました。

    <金融・保険/従業員規模1〜50人の企業>

    企業名 平均年収
    日本商業開発株式会社 1,760万円
    OLTA株式会社 816万円
    マネックスグループ株式会社 788万円
    アニコム ホールディングス株式会社 729万円
    株式会社岡三証券グループ 719万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    年収図鑑で金融・保険業界の中小企業の平均年収をチェックする

    情報通信業

    情報通信業は、情報の伝達を行う事業所や、情報の処理・提供などのサービスを行う企業のことを指します。

    携帯電話や固定電話を取り扱う通信業や、ソフトウェアやデータベースを開発するIT企業、インターネット関連企業、メディアなどが含まれます。平均年収は業界の中で3番目に高く、約373万円です。

    情報通信業には、営業や事務の他に以下のような職種があります。

    • IT業界:エンジニア、プロジェクトマネジメント
    • 通信業界:経営企画、広報、ネットワークエンジニア、商品開発
    • インターネット関連企業:ディレクター、デザイナー、マーケター

    情報通信業界の中小企業の平均年収を、年収図鑑のデータをもとにランキングにしました。

    <I情報通信業/従業員規模1〜50人の企業>

    企業名 平均年収
    株式会社Payke 997万円
    株式会社Mobility Technologies 833万円
    株式会社ECS 810万円
    AI CROSS株式会社 787万円
    株式会社ディー・エヌ・エー 782万円

    (参照:年収図鑑 2022年8月時点の情報

    年収図鑑で情報通信業界の中小企業の平均年収をチェックする

    年収を下げずに中小企業に転職するコツ

    中小企業への転職を考えている人は、年収が下がってしまわないかと不安に思っている人もいるでしょう。

    この章では、年収を下げずに中小企業に転職するコツを紹介します。

    • 平均年収の高い業界に転職する
    • 成長過程にある企業に転職する
    • 転職エージェントを活用して優良企業・優良求人を見つける

    上記の3つのコツについて、1つずつ解説します。

    平均年収の高い業界に転職する

    1つ目は、「平均年収の高い業界に転職する」です。

    公共インフラや金融・保険、情報通信など、平均年収が高い業界なら中小企業でも年収が高い傾向にあります。

    ただし、企業や職種、個人の経歴によっても年収は異なるので、しっかりと下調べが必要です。

    転職活動を始める前に、年収図鑑のような年収データサイトや、転職サイトの求人情報などで年収を調べてみましょう。自分の年齢や希望する業界・職種での年収相場はどれくらいか、前もって把握しておくことをおすすめします。

    成長過程にある企業に転職する

    2つ目は、「成長過程にある企業に転職する」です。

    業績を伸ばしていて成長過程にある企業であれば、中途採用で高い年収を提示している可能性があります。業績を伸ばしているかどうかは、決算報告書で対前期増減率や営業利益を確認することで判断できます。

    成長過程にある企業では、特に以下のような職種で高い年収を提示する傾向にあります。

    • 営業職
    • IT系職種(エンジニア、プロジェクトマネジメント)
    • マネジメント職

    営業職は、インセンティブや個人の成績次第で高年収になる可能性があります。業界未経験でも営業職であれば採用されやすいので、選択肢の1つとして検討してみましょう。ただし、無理な目標設定をしていたり、基本給が安すぎたりしないかという点はしっかりチェックしておく必要があります。

    エンジニアやプロジェクトマネジメントなどのIT系の職種は、専門知識が必要だったり技術が急速に進歩していたりするので、慢性的な人手不足です。常に需要があるので、年収も高い傾向にあります。

    ディレクターやマネージャーなどのマネジメント職を積極的に採用している企業もあり、高い年収を提示している場合も多いです。

    転職エージェントを活用して優良企業・優良求人を見つける

    3つ目は、「転職エージェントを活用して優良企業・優良求人を見つける」です。

    転職を成功させるためには、条件の良い求人を見つけることが欠かせません。公開されている求人情報よりも、転職エージェントが保有している非公開求人の中にで希望に合う求人が見つかるケースが多いです。

    中小企業の優良求人を見つけるためにも、転職エージェントを積極的に利用することをおすすめします。

    成長過程にある中小企業は、求人の競争率が高くなることも多いです。即戦力を求められることも多く、自分のスキルや経験、強みをしっかりとアピールする必要があります。

    転職エージェントに登録して、専門家のサポートを受けながら選考対策をしましょう。

    おすすめの転職エージェントは、リクルートエージェントです。国内最大級の大手転職エージェントで、求人数が非常に多いのが特徴です。

    (引用:リクルートエージェント 2022年8月時点の情報)

    リクルートエージェントのサイトで従業員数99人以下の中小企業を検索すると、取り扱い求人は公開で61,174件、非公開求人が30,076件ありました。(2022年8月時点)

    さまざまな業界や職種の求人を扱っているので、選択肢が豊富なのが魅力です。転職活動を始めるにあたって、最初に登録しておきたい転職エージェントです。

    まとめ

    中小企業の平均年収について解説しました。

    中小企業全体では、平均年収は300万円前後です。比較的平均年収が高い業界もあり、公共インフラは約419万円、金融・保険は約383万円、情報通信業は約373万円です。

    業界や企業によっては平均年収が平均よりもはるかに高い中小企業もあります。年収図鑑で、各中小企業の平均年収をチェックしてみてください。

    年収を下げずに中小企業に転職するには、成長過程にある業界や企業に転職するのがおすすめです。そういった企業は競争率が高くなることも多いので、転職エージェントで支援を受けながら選考対策をすることをおすすめします。(おすすめの転職エージェント:リクルートエージェント

    この記事を参考に、中小企業に転職するための事前準備をしてみてはいかがでしょうか。

    Aki

    IT業界を渡り歩き、SaaS製品の営業とカスタマーサクセスを担当。現在ではライターとして、ビジネス・キャリア系を中心に記事を執筆しています。

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