業界別の年収情報

ベンチャーキャピタルとは? 仕事内容・平均年収・就職難易度を徹底解説

ベンチャーキャピタルについて、「年収が高い」というイメージを持っている人は多いです。 

新卒で金融業界を目指している人、もしくは金融業界などで働いていてベンチャーキャピタルへの転職に興味を持っている人は、ベンチャーキャピタルの年収はどのくらいなのか、どのような仕事をするのか気になっているでしょう。

ベンチャーキャピタルは日本の企業全体と比べてかなり年収が高いです。

その分要求されるスキルも高く、ベンチャーキャピタルを目指す人は自分にも就職できるかどうか気になっているのではないでしょうか。

今回はベンチャーキャピタルの概要や仕事内容、平均年収、入社に求められるスキルまで徹底解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、就職活動や転職活動の参考にしてみてください。

    ベンチャーキャピタルの年収は高い?

    ベンチャーキャピタルの年収は非公開であることが多く、また企業によってかなり異なるため、正確な年収額は把握しづらいです。

    年収図鑑」に登録されている、ベンチャーキャピタルの年収トップ3をあげてみました。

    企業名 平均年収
    株式会社ドリームインキュベータ 1,022万円
    ジャフコ グループ株式会社 869万円
    日本アジア投資株式会社 850万円

    (引用:年収図鑑 2022年5月時点)

    2021年公開の国税庁「民間給与実態統計調査」では、日本全体の平均年収は433万円でした。データで見ると、ベンチャーキャピタルの平均年収は、日本の平均年収よりもかなり高い傾向にあることがわかります。

    さらにインセンティブや賞与、役員報酬などで年収が上がる可能性も十分にあります。

    役職によるベンチャーキャピタル年収のめやすは以下の通りです。

    • アソシエイト:500,600万円〜
    • シニアアソシエイト:800万円〜
    • マネージャー:1,200万円〜
    • ディレクター、パートナー:1,500万円〜

    年収図鑑でベンチャーキャピタルの平均年収をチェックする

    国内外のベンチャーキャピタル一覧

    日本国内のベンチャーキャピタルにはどのようなものがあるのでしょうか。

    年収図鑑に登録されている年収データとともに、一覧表にしました。

    企業名 平均年収
    SMBCベンチャーキャピタル株式会社 1,330万円
    みずほキャピタル株式会社 1,090万円
    株式会社地域経済活性化支援機構 1,334万円
    株式会社ドリームインキュベータ 1,022万円
    ジャフコ グループ株式会社 869万円
    日本アジア投資株式会社 850万円
    フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 785万円
    イシン株式会社 500万円

    (引用:年収図鑑 2022年5月時点)

    また、海外のベンチャーキャピタルには、以下のような企業があります。

    • SequoiaCapital
    • Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)
    • 500 Startups
    • Accel
    • GV(旧Google Ventures)
    • Y Combinator
    • First Round Capital

    ベンチャーキャピタルとは

    そもそも、ベンチャーキャピタルとはどのようなものなのでしょうか。

    ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業に投資して経営支援を行う企業です。

    事業を始めたばかりのベンチャー企業は、事業が成長して安定するまで多額の資金を必要とします。ベンチャーキャピタルは銀行や投資家から資金をあつめ、出資者に代わってベンチャー企業に投資し、資金を運用します。

    銀行からの融資を受けられないベンチャー企業であっても、将来性があると判断されればベンチャーキャピタルから融資を受けられるのです。

    ベンチャーキャピタルはベンチャー企業に融資をおこなったあと、経営権の一部を保有して経営支援を行います。投資したベンチャー企業が成長したり上場したりすれば、IPOやM&Aで利益を得ます。

     

    ベンチャーキャピタリストの仕事内容

    ベンチャーキャピタルで働く担当者(ベンチャーキャピタリスト)は、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。

    ベンチャーキャピタリストの仕事内容は、大きく分けて以下の4つになります。

    1. 投資先を探す(ソーシング)
    2. 投資契約
    3. 投資後のフォロー、経営支援
    4. IPO(上場)、M&Aでキャピタルゲインを得る(EXIT)

    単に投資するだけでなく、投資先企業が成長して資金を回収できるまで並走して支援するのがベンチャーキャピタリストの役割です。

    ベンチャーキャピタリストに求められるスキル

    ベンチャーキャピタリストは、投資先の将来性を見極め、経営課題を解決するなどしながら経営支援を行い続ける必要があります。

    ベンチャーキャピタリストには主に以下のようなスキル、資質が求められます。

    • 高いコミュニケーション能力、ビジネススキル
    • 分析力、論理的思考
    • ネットワーク構築力
    • 問題解決能力
    • 経営や財務に関する知識

    投資先選定のためには、経営や財務に関する知識や、経営者とのネットワーク構築力が必要です。経営支援にあたっては、財務分析力や論理的思考、問題解決能力、コミュニケーション能力が重要視されます。

    投資先企業が成長してキャピタルゲインをあげられるようになるまで、長期間の支援が必要です。信頼を得ながら関係構築し、根気強く支援を続けるスキルが求められます。

    「ベンチャーキャピタルは激務」というイメージがありますが、忙しい経営者を支援する仕事であるため時には激務も覚悟しなければなりません。精神的、体力的なタフさが求められる仕事であるといえます。

    ベンチャーキャピタルに就職するには

    ベンチャーキャピタルに就職するには、特別な資格は必要ありません。新卒や未経験でも就職は可能ですが、高いスキルや知識が求められ、就職難易度は高いです。

    この章では、ベンチャーキャピタルに就職する方法を、新卒採用の場合と中途採用の場合に分けて解説します。

    新卒で就職する場合

    ベンチャーキャピタルに新卒で就職するには、まず新卒採用をおこなっているベンチャーキャピタルを探すことが不可欠です。

    子会社や関連会社としてベンチャーキャピタル事業を持っているグループ企業に就職し、配属をめざすというのも1つの方法です。ただし、必ずしも希望の事業に配属されるとは限りません。

    学部は不問ですが、経営学部や商学部などビジネス関連の学部を卒業していると有利になる傾向にあります。投資先企業の業界によっては、IT系や農学部など理系の学部も有利になる場合があります。

    新卒の場合はポテンシャルで採用されることが多く、コミュニケーション能力などのヒューマンスキルが重要視されます。

    海外進出を視野に入れているベンチャーキャピタルに対しては、TOEIC高得点や英検1級などの語学力もアピールできるポイントです。

    第二新卒も同様、ポテンシャルが重視され、未経験であってもヒューマンスキルなど総合的なスキルが評価されれば入社できる可能性が高くなります。

    中途で転職する場合

    中途採用の場合は、スキルやポテンシャルにくわえて経験も重視されます。

    金融営業や投資銀行、コーポレートファイナンスなど、金融関連の経験者は有利になる傾向にあります。経営企画や事業企画、法人営業、コンサルタントなどのビジネス関連職も、経験やそこで培ったスキルをアピールできれば強みになります。

    経営に関するアドバイスも行うので、マネジメント経験も必要です。

    持っていると強みになる資格・知識

    前述のように、ベンチャーキャピタルになるために特別な資格は不要ですが、経営や財務に関する資格を持っていると強みになります。

    <持っていると強みになる資格>

    • IPO実務検定
    • MBAの学位
    • 公認会計士
    • 中小企業診断士
    • 証券アナリスト
    • ファイナンシャルプランナー
    • 簿記
      など

    <持っていると強みになる知識>

    • 会社法
    • 財務会計、管理会計
    • コーポレートファイナンス
    • 金融商品取引法
    • 投資先企業の業界知識
      など

    ただ前述のように、長期間にわたる関係構築と経営支援が不可欠となるため、知識や資格を持っていれば必ずしもベンチャーキャピタルに就職できるというわけではありません。スキルや経験を加味して総合的に評価されます。

    転職エージェントを活用しよう

    ベンチャーキャピタルへの転職には、情報収集の活用が欠かせません。転職エージェントに登録して、業界の動向や求められるスキルについて相談してみることをおすすめします。

    また、ベンチャーキャピタルの求人は非公開求人であることも多いため、応募の選択肢を広げるという点で転職エージェントを活用して損はありません。

    ベンチャーキャピタルへの就職は、高いスキルが求められたり倍率が高かったりと、決して容易ではありません。スキルの棚卸しや志望動機の作り込み、書類添削、面接対策など、転職エージェントの支援を受けながら転職活動を進めることをおすすめします。

    <おすすめ転職エージェント>

    • リクルートエージェント
      日本最大級の求人数を扱う大手転職エージェントです。非公開求人の取り扱いも多く、案件応募の選択肢が広がるので最初に登録しておくことをおすすめします。
    • クライス&カンパニー
      ハイクラス求人に特化した転職エージェントです。2022年5月時点で公開求人数は6,813件、それに対し非公開求人数は15,234件とかなり多いです。ベンチャーキャピタリストの求人も取り扱っているので、登録しておいて損はありません。
    • ビズリーチ
      ビズリーチも、ハイクラス求人に特化した転職エージェントです。年収1,000万円以上の求人が3分の1以上を占め、非公開求人数も多いです。無料プランと有料プランがあり、有料プランでは全てのスカウトや求人を閲覧・応募できるといった特典があります。

     

    まとめ

    ベンチャーキャピタルの年収や仕事内容、就職の方法について解説しました。

    ベンチャーキャピタルの年収は平均より高いですが、求められる能力や知識も高度なため就職や転職は容易ではありません。

    ですがポテンシャルや専門知識、経験があるなら挑戦する価値は十分にあります。しっかり情報収集をし、転職エージェントを活用しながら転職活動することをおすすめします。

    おすすめの転職エージェント:リクルートエージェント

    ベンチャーキャピタルへの就職・転職の参考になれば幸いです。

    Aki

    IT業界を渡り歩き、SaaS製品の営業とカスタマーサクセスを担当。現在ではライターとして、ビジネス・キャリア系を中心に記事を執筆しています。

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