ITエンジニアの年収はいくら？現職エンジニアやエンジニアへの転職を考えている方が知るべきエンジニアの年収情報

仕事について考えるにあたって「年収」の情報は重要な要素です。「自分はこの仕事で十分な年収を得ているのか？」「この仕事に転職すれば何円もらえるのか？」といったことは誰もが気になります。

そこで今回は「ITエンジニア」という仕事でもらえる年収について解説します。

ITエンジニアの年収

まずは本題「ITエンジニアとして働くことで得られる年収」について解説します。

ITエンジニアの平均的な年収

「求人ボックス　給料ナビ」の調べによると、ITエンジニア（正社員）の平均的な年収は約500万円となっています。

出典：求人ボックス　給料ナビ　ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料

その他にも「doda」の調べでは約450万円、「コエテコキャンパス」では約540万円と、およそ500万円前後がITエンジニアの平均年収であると推測できるでしょう。

出典：doda ITエンジニアの平均年収はいくら？給料アップを目指す方法や転職事例も解説

出典：コエテコキャンパス　【2022年最新版】エンジニアの平均年収はいくら？全体平均と比べて○○円も高い！

では、500万円前後の年収というのは、日本人の年収としては高い方なのか低い方なのかということですが、国税庁の「令和2年分　民間給与実態統計調査」によると、当時の平均年収は433万円となっていますので、ITエンジニアの平均的な年収はすべての仕事で平均した場合の年収よりも多い水準であることがわかります。

出典：国税庁　令和2年分　民間給与実態統計調査

ITエンジニアの年齢別の年収

次に、ITエンジニアの「年齢別の平均年収」について見てみましょう。

求人ボックス給料ナビの調べによると、以下の内容であることがわかっています。

20～24歳：339万円
25～29歳：445万円
30～34歳：533万円
35～39歳：573万円
40～44歳：621万円
45～49歳：651万円
50～54歳：666万円
55～59歳：652万円

出典：求人ボックス　給料ナビ　ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料

パッと見だと「年功序列」の影響を受けた年収スタイルであるようにも見えますが、ITエンジニアを雇用する会社の中にはいわゆる「実力主義」「実力さえあれば若くても出世できる」といった会社も多いため、そういった会社を選んで就職すれば若くして高収入を得られる可能性は十分にあるといえます。

ITエンジニアの役職別の年収

次に、ITエンジニアの「役職別の平均年収」について見てみましょう。

「平均年収.jp」の調べによると、ITエンジニアの役職ごとの平均的な年収のデータは以下のようになっています。

主任：472万円
係長：587万円
課長：776万円
部長：858万円

出典：平均年収.jp　システムエンジニアの年収や給料について詳しく解説します！

一般的な役職の傾向として、上級職に昇進すれば100万円クラスの年収アップが望めることがわかります。この数値は平均的な役職ごとの年収とほぼ同じ水準であるため、ITエンジニアだからといって役職ごとに大きな特徴があるというわけではなさそうです。

ITエンジニアの業種別の年収

次に、ITエンジニアの「業種ごとの平均年収」について見てみましょう。

ITエンジニアは、IT関連の業務のニーズが増加したことにより、IT業界だけでなく数多くの業界・企業においてその採用が進められています。業種ごとのITエンジニアの年収に関する傾向は説明が難しく、一般的に年収の水準が高額な企業や、IT関連事業を新しく立ち上げるために高レベルのスキル・資格を有する即戦力を欲する企業であれば、平均よりも高額な年収を得られる可能性が高いです。

この項目では「職種ごとの平均年収」についても見てみることにしましょう。

経済産業省が公開している資料「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、以下のデータがわかっています。

コンサルタント：928.5万円
プロジェクトマネージャー：891.5万円
高度SE、ITエンジニア：778.2万円
SE、プログラマ（顧客向けシステムの開発・実装）：593.7万円
SE、プログラマ（ソフトウェア製品の開発・実装）：568.5万円
SE、プログラマ（組み込みソフトウェアの開発・実装）：603.9万円
IT技術スペシャリスト：758.2万円
IT運用、管理：608.6万円
IT保守：592.2万円
IT教育：651.0万円
上記に関する営業、マーケティング：783.3万円
営業、マーケティング：682.1万円
プロデューサー、ディレクター：792.9万円
コンテンツクリエイター、デザイナー：411.0万円
エンジニア、プログラマー：592.2万円
顧客サポート、ヘルプデスク：390.9万円
その他：589.3万円

出典：経済産業省　IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

この数値を見てみると、「コンサルタント」「プロジェクトマネージャー」になると、900万円前後の年収を得られることがわかります。次点では「高度SE・ITエンジニア」のように高度なスキルを持った人や「プロデューサー」のような管理職のエンジニアが多くの年収を得ているようです。

最後に、IT関連業界での高額年収企業の平均年収を見てみましょう。

出典：年収図鑑　システム開発業界の平均年収ランキング

出典：年収図鑑　ITインフラ業界の平均年収ランキング

年収が高額な企業に就職すれば、ITエンジニアで1,000万円以上の年収を得ることも可能であることがわかります。

ITエンジニアが年収を増やすためにできること

上記のデータを見てわかるように、ITエンジニアの年収は条件次第で500万円前後になったり、人によっては1,000万円以上の年収を得ることも不可能ではないことがわかります。では、ITエンジニアとして働きながら、年収を増やすためにどのようなことができるのでしょうか。

スキル・資格を身に着ける

1つ目の方法は「ITエンジニアに必要なスキルや資格を身に着ける」ことです。ITエンジニアは、プログラミング言語やシステム・ソフトウェア開発など、さまざまなスキル・知識を身に着けて、それを活用して仕事をこなします。

ITエンジニアに関連するスキルや資格は、時代によってそのニーズが大きく変化しています。とくに最新技術に関連するスキルや資格は、多くの会社にとって自社のビジネスの発展のために欲しいと考えているでしょう。

ただし、現状の業務内容を進めるだけでは、年収アップにつながるスキルアップを実現することは難しいです。そのため、休日や休憩時間などを有効活用して勉強して、今まで持っていなかったニーズの高いエンジニアスキルを身につけましょう。とくに、勤務先が奨励しているスキルを習得すれば、それだけで毎月数万円の手当てがもらえて年収の高額アップにつながるかもしれません。

待遇の良い会社に転職する

2つ目の方法は「現在の勤め先よりも待遇の良い会社に転職する」ことです。先ほどIT関連で高額な年収をもらえている会社をいくつか紹介していますが、ITエンジニアの平均的な年収の数倍の年収を、これらの会社の従業員はもらっています。

会社によって、同じ能力でも評価の仕方は大きく異なります。いわゆる「年功序列」と「実力主義」では正反対の評価になることも多く、若くしてITエンジニアとしての高度な技術を身に着けても年功序列傾向の強い会社では正当に評価されず、実力や実績に見合った年収をもらえないことも珍しくありません。

ご自身の実力や保有スキル、経験がもっと評価されるべきであると考えるのであれば、実力主義で若くても能力が評価されれば相応の待遇を約束してくれる会社に転職することで、年収を大幅にアップさせることは十分に可能です。転職エージェントを利用すれば、現在の能力などの条件に最適な転職先を見つけられますので、ぜひ登録して転職サポートを受けることをおすすめします。

リンク：リクルートエージェント

ITエンジニアが年収を増やすために役立つスキル

ITエンジニアが年収を増やすためには「スキルアップ」を1つの手段として利用できます。では、具体的にどのようなスキルのために勉強時間を割くべきなのでしょうか？

未収得のプログラミング言語

1つ目は「未収得のプログラミング言語」です。プログラミング言語は国内で実践的に使用されているものだけでも10種類以上あるとされています。プログラミング言語はそれぞれ得意分野やできることが異なりますので、今まで習得していなかったプログラミング言語をあらたに修得して、ITエンジニアとしてできることの幅を増やすことは年収アップにつながるでしょう。

では「どのプログラミング言語がおすすめか？」ということですが、これは現状のニーズに則って選択することをおすすめします。たとえば「今の職場で○○のニーズが高まっている」「転職を希望している会社の求人に○○のスキル保有者歓迎とある」のように、勤め先や転職先が欲しがっているプログラミング言語であれば、年収アップに直結しやすいです。また、将来性のある多くの業界・企業でニーズが高まっているプログラミング言語が何であるかを調べて、その勉強を進めておくことも良いでしょう。

IoT関連のスキル

2つ目は「IoT関連のスキル」です。IoTとはインターネットで道具やサービスを制御することで高い利便性を発揮する仕組みであり、さまざまな分野において注目されています。

株式会社MM総研の「IoT技術の国内利用動向調査」によると、日本国内のIot市場規模は2019年時点で約6,100億円、これは前年比45％の増加となっています。今後もIoTの市場規模はどんどん拡大することが予想されており、2023年までの予測では1年あたり30％以上の増加が見込まれています。

出典：株式会社MM総研　IoT技術の国内利用動向調査

IoT関連のスキルを身につければ、急成長しているIoTビジネスにおいて最前線で活躍できるでしょう。ニーズの高い分野のスキルを持つことになりますから、年収アップも期待できます。

ビッグデータ活用のスキル

3つ目は「ビッグデータ活用のスキル」です。ビッグデータとは、簡単に言えば巨大なデータ群のことであり、これをマーケティングや商品・サービスの改善に活用することが注目されています。

ビッグデータは、それ自体はさまざまなデータの集合体でしかありません。しかし、これを活用することで新しい情報を知ることが可能であり、これをビジネスに活かすことでさまざまな問題を解決したり、新しいビジネスを生み出すきっかけになることもあるため、多くの企業がビッグデータ活用に注目しています。

IoT同様、多くの企業において注目されているということは、関連スキルのニーズも高いということです。ITエンジニアとしてビッグデータ活用に貢献できるようになれば、年収アップも期待できます。

人工知能（AI）関連のスキル

4つ目は「人工知能（AI）関連のスキル」です。人工知能とは、既存のデータと新しいデータの収集によって機械が学習する仕組みであり、高度な人工知能ともなればまるで人間のような行動をとることも可能です。

アイ・ティ・アール（ITR）が行った「AI主要8市場規模推移および予測」によると、2020年時点でのAIの市場規模は約510億円であるのに対して、5年後には倍以上の1,200億円まで拡大すると予測しています。IoTほどの市場規模ではありませんが、AIもさまざまな分野において注目されていますので、ITエンジニアとしてAIに関わることができるスキルを身につければ年収アップも期待できるでしょう。

出典：ITR　ITR Market View：AI市場2020

ITエンジニアへの転職を成功させるコツ

ITエンジニアとして年収を増やすために、2つ目の方法として「転職」をおすすめしています。しかしながら、転職は失敗リスクもつきものです。では、ITエンジニアとして転職するにあたって注意するべきポイントは何なのでしょうか。

しっかりと準備する

転職成功の1つ目のポイントは「入念な事前準備」です。これはどの職種における転職でも同じことが言えますが、自己分析してご自身の本当の価値を把握し、それを活かせる転職先を探すことは重要なポイントになります。

自己分析と転職の目的を明確にしたら、転職までの計画を立てましょう。綿密な計画を立てておけば、転職活動中に間違った行動を起こしたり、無用な不安を駆り立てられることもありません。

既存の人脈を生かす

2つ目のポイントは「既存の人脈を生かして転職先を探す」ことです。ITエンジニアは勉強会などで横のつながりを持っている方も多く、知り合いのエンジニアに相談して転職先を紹介してもらうという方法もあります。

場合によっては「起業の予定があるからウチに来ないか？」とか「親戚の会社がITエンジニア探しているみたいだから紹介してあげる」といった縁に恵まれる可能性はゼロではありません。こうした縁故採用では一般的な採用プロセスよりも早く採用に至るケースも多いため、手早く転職先を探したい方におすすめです。

成長性の見込める会社を探す

3つ目のポイントは「成長性のある転職先を探す」ことです。ITエンジニアが活躍する分野は今後も市場規模が大きく拡大することが予想されています。しかし、会社自体に成長性や将来性がなければ、ITエンジニアとしての能力を活かせないまま時間だけが過ぎ、年収アップも見込めないということもあるでしょう。

これを回避し、成長性のある会社でやりがいのある仕事と多くの年収を得るためには、事前準備の段階でしっかりと企業研究を行うことが重要です。その中から、自己分析で把握したご自身の能力に過不足ない会社を選べば、将来性・やりがい・年収や待遇の3つの好条件で転職先を探せるでしょう。

転職エージェントを利用する

4つ目のポイントは「転職エージェントの活用」です。転職エージェントに登録して転職サポートを受けることで、効率よく最適な転職先を探せるでしょう。

「リクルートエージェント」のように、転職支援実績の評価が高く、数多くの非公開求人情報を持ち、優れた転職コンサルタントが数多く在籍している転職エージェントであれば、満足度の高い転職を実現できるでしょう。転職という一大決心を少しでも高い成功率で実現するためには、転職支援のプロである転職エージェントの利用が理にかなっています。