【解説】40代の平均年収は?転職で年収アップできる?
一般的に40代といえば、キャリアが安定してくる時期です。勤続年数が長かったり、役職についていたりすると、20代、30代の頃より年収も上がっているでしょう。
ここで「世間的にみて自分の年収が多いのか、少ないのか」と気になる人は多いでしょう。さらに「キャリアの集大成として」「老後資金のため」「家族を養うため」などの理由で、「キャリアアップして年収をもっと上げたい」と考える人もいるのではないでしょうか。
40代からのキャリアアップのためには、まず自分の立ち位置を客観的に把握することが不可欠です。自分の職種や業界の平均年収を知ることで、自分の年収がどのくらいのレベルなのかがわかります。
(「年収図鑑」で、各企業ごとの40代男性の平均年収を検索できます。一度チェックしてみてください。)
この記事では、まず40代男性の平均年収について紹介します。そして、40代からのキャリアアップを成功させるためのおすすめの方法を紹介します。
「40代からのキャリアアップや年収アップは難しい」というイメージを持つ人もいますが、決して不可能なことではありません。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください。
業界別・職種別 40代の平均年収
転職・求人サービスのdoda(デューダ)は、2021年、「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」を発表しました。
このランキングからは、業種や職種、年代、性別ごとの平均年収がわかります。
この章では、40代の平均年収を、業界別、職種別に紹介します。
業界別 40代の平均年収
業界別の40代の平均年収は、以下の通りです。
業界 | 平均年収 |
---|---|
金融 | 599万円 |
IT/通信 | 592万円 |
メーカー | 548万円 |
総合商社 | 535万円 |
インターネット/広告/メディア | 525万円 |
専門商社 | 519万円 |
メディカル | 514万円 |
建設/プラント/不動産 | 495万円 |
サービス | 452万円 |
小売/外食 | 444万円 |
(引用:平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】)
この結果から見ると、平均年収上位3位の業界は「金融」「IT/通信」「メーカー」でした。
「金融」業界の40代平均年収上位3位は、投信/投資顧問で926万円、証券会社で812万円、リースで724万円でした。
「IT/通信」業界の40代平均年収上位3位は、システムインテグレータで634万円、ITコンサルティングで621万円、ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダで607万円でした。
「メーカー」業界の40代平均年収上位3位は、総合電機メーカーで655万円、ゲーム/アミューズメント機器メーカーで653万円、たばこメーカーで614万円でした。
(参照:平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】)
さらに詳しく年収を知りたい人は、「年収図鑑」で業界ごとに各企業の平均年収をチェックできます。
「電気・機械メーカー」業界・男性・40代の年収ランキングを見る
職種別 40代の平均年収
職種別の40代の平均年収は、以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
専門職(コンサルティングファーム/ | |
専門事務所/監査法人) | 688万円 |
企画/管理系 | 641万円 |
技術系(IT/通信) | 603万円 |
営業系 | 577万円 |
金融系専門職 | 565万円 |
技術系(電気/電子/機械) | 539万円 |
技術系(建築/土木) | 489万円 |
クリエイティブ系 | 473万円 |
技術系(メディカル/化学/食品) | 464万円 |
販売/サービス系 | 400万円 |
事務/アシスタント系 | 371万円 |
この結果から見ると、平均年収上位3位の職種は「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」「企画/管理系」「技術系(IT/通信)」でした。
「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」の40代平均年収上位3位は、戦略/経営コンサルタントで942万円、会計専門職/会計士で681万円、税理士で550万円でした。
「企画/管理系」の40代平均年収上位3位は、知的財産/特許で772万円、経営企画/事業企画で765万円、法務で732万円でした。
「技術系(IT/通信)」の40代平均年収上位3位は、プリセールスで835万円、ITコンサルタントで829万円、プロジェクトマネージャーで780万円でした。
(参照:平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】)
さらに詳しく年収を知りたい人は、「年収図鑑」で職種ごとに各企業の平均年収をチェックできます。
「プロジェクトマネージャー(IT・メディア業界)」・男性・40代の年収ランキングを見る
転職で年収アップしたい!でも、40代の転職は失敗する?
ここまで、業界別・職種別の40代平均年収を紹介しました。
今後を考え、年収アップのため転職したいと思っている40代は多いでしょう。ですが、「40代で転職は厳しいのでは」「転職しても年収が下がってしまうかもしれない」と心配している人も多いのではないでしょうか。
40代の年収アップ転職は決して不可能ではありません。40代以上のミドル層で、年収アップ転職を成功させた人の割合をデータで見てみましょう。
ミドル層の転職で年収アップした人は52% 100万円以上の年収アップも
大手転職サイトのエン・ジャパンは、『「転職後の年収」調査―「ミドルの転職」ユーザーアンケート―』の調査結果を2018年に発表しました。
この調査では、35歳以上のミドル層907名を対象に、転職にともなう年収の変化についてアンケートを取っています。
結果を見ると、「転職して年収が上がった」と回答したミドル層は全体の52%に及んでいます。転職経験のあるミドル層の約半数が転職後年収が上がったということがわかります。
また、「年収が上がった」と回答した人で、年収が50万円以上上がったと回答した人は29%、100万円以上上がったと回答した人は42%でした。転職して年収が上がった人の半数近くが、100万円以上の年収アップに成功しています。
このことから、40代以上の年収アップ転職が決して不可能ではないということがわかります。
(参照:「転職後の年収」調査―「ミドルの転職」ユーザーアンケート―)
40代の年収アップ転職を成功させるには?
40代で年収アップ転職が可能とはいえ、闇雲に転職活動をしていても成功の可能性は上がりません。自己分析や業界研究を綿密に行い、戦略を立てた上で転職活動をする必要があります。
この章では、40代で年収アップ転職を成功させるためのコツを紹介します。
スキル・経験の棚卸しをする
40代で年収アップ転職を志すなら、まず自分のスキルや経験を棚卸して、市場価値を知ることが不可欠です。
- 年収
- 経験
- 知識
- スキル
- ポジション
これらの項目について、現在自分が持っているものを洗い出し、整理してみましょう。現在の自分にどれくらいの市場価値があるのか、転職市場において武器になるものはあるかを探ります。職務に関するスキルだけでなく、マネジメント経験もあればより有利になります。
棚卸しをして整理しておけば、転職活動において企業にアピールする際にも役に立ちます。
転職エージェントに相談する
転職活動を有利かつ効率的に進めるには、情報収集や客観的な意見が不可欠です。友人、知人、家族など身近な人に意見を聞いてみましょう。
転職支援のプロであるエージェントに相談するのもおすすめです。転職やキャリアの相談に乗ってくれるだけでなく、求人の紹介や条件面の交渉なども行ってくれます。
転職エージェントは非公開求人を扱っている場合が多く、公開求人と合わせて選択肢の幅が広がります。40代以上を対象としている求人は、20代・30代に比べて数が少ない傾向にあります。求人の選択肢をできるだけ広げた方が、転職活動を有利に進められます。
平均年収の高い業界に転職する
単に転職に成功するだけでなく、転職後の年収もアップさせたいですよね。
年収アップ転職成功のコツ1つ目は、「平均年収の高い業界に転職する」です。
前述のエン・ジャパンの調査では、「年収を上げるために転職時に意識したこと」という問いに対し、「将来性がある企業・業界であること」と回答した人の割合は37%でした。
(参照:「転職後の年収」調査―「ミドルの転職」ユーザーアンケート―)
年収アップ転職成功のためには、業界選びも重要なポイントであることがわかります。
平均年収が高い業界には、専門性が高い、業界自体が成長過程にあるなどの特徴があります。業界の特徴を分析し、将来性や年収アップの可能性を探ることをおすすめします。
dodaの調査「平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」によると、平均年収が高い業界上位5位は以下の通りです。
業界 | 平均年収 |
---|---|
金融 | 455万円 |
メーカー | 455万円 |
総合商社 | 434万円 |
IT/通信 | 433万円 |
建設/プラント/不動産 | 416万円 |
(引用:平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】)
40代平均年収の高い企業に転職する
業界研究と同じく、企業研究も重要です。転職して年収アップを狙うなら、40代の平均年収が高い企業に応募すれば、成功の可能性が高くなります。
「年収図鑑」では、40代男性の平均年収が高い企業を業界別に調べられます。
<参考>業界別・40代男性の平均年収が高い企業一覧
業界 | 平均年収が一番高い企業 | 平均年収 |
---|---|---|
IT・メディア | UiPath株式会社 | 1,900万円 |
エネルギー | 東京瓦斯株式会社 | 1,263万円 |
医薬・バイオ関連 | インテュイティブサージカル合同会社 | 1,564万円 |
運輸 | 東海旅客鉄道株式会社 | 1,152万円 |
外食・飲食 | 日本マクドナルド株式会社 | 1,005万円 |
金融 | ゴールドマン・サックス証券株式会社 | 2,741万円 |
建設 | 株式会社長谷工コーポレーション | 1,116万円 |
小売 | 楽天グループ株式会社 | 1,214万円 |
消費財メーカー | 株式会社アシックス | 1,039万円 |
消費者向けサービス | 株式会社ベネッセホールディングス | 1,028万円 |
食品メーカー | レッドブル・ジャパン株式会社 | 1,350万円 |
素材メーカー | スリーエムジャパン株式会社 | 1,113万円 |
中間流通・商社 | 三菱商事株式会社 | 1,960万円 |
電気・機械メーカー | 株式会社キーエンス | 2,074万円 |
不動産 | 三井不動産株式会社 | 1,456万円 |
法人向けサービス | 株式会社ボストン・コンサルティング・グループ | 2,126万円 |
(※2022年4月時点の情報)
「年収図鑑」では、40代の業界ごとや職種ごとに条件を絞り込んで企業別の平均年収を調べられます。情報収集にぜひ活用してみてください。
おすすめの転職エージェント
40代の年収アップ転職を成功させるために、客観的なアドバイスをもらってキャリアプランを立てたり、業界や企業に関する情報を収集したりすることは必要不可欠といえます。
リサーチから転職活動までをより効率よく行うために、転職エージェントを利用することをおすすめします。
この章では、おすすめの転職エージェントを紹介します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、リクルートが運営する業界最大手の転職エージェントです。経験豊富なキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれ、応募書類や面接のアドバイスも行ってくれます。
公開・非公開合わせて求人数がトップクラスに多いです。選択肢を広げるためにも、まずは登録だけでもしておくことをおすすめします。
特徴 | 転職支援実績No.1 |
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求人数 | 公開求人 177,910件
非公開求人 236,617件 |
サービス | ・キャリアアドバイザーが応募書類や面接のアドバイス
・スカウトサービス ・イベント、セミナー随時開催 ・「職務経歴書エディター」を利用できる |
(画像・データ:リクルートエージェント公式サイトより引用 ※2022年4月時点の情報 ※2022年4月時点の情報)
doda
dodaは、パーソルキャリアが運営する大手転職エージェントです。リクルート同様、求人数が多いのが特徴です。
特徴 | 大手転職エージェント |
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求人数 | 公開求人 130,192件
非公開求人 不明 |
サービス・強み | ・キャリアアドバイザーが応募書類や面接のアドバイス
・スカウトサービス ・パートナーエージェントサービス ・イベント、セミナー随時開催 |
(画像・データ:doda公式サイトより引用 ※2022年4月時点の情報)
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、ハイクラス転職を希望する30代〜50代のミドル層向け転職エージェントです。
管理職や専門職向けに、大手企業や外資系、海外進出企業などの求人を扱っています。その多くが年収500万円以上の求人です。
ハイクラス転職で年収アップを目指したい人におすすめです。
特徴 | ミドル層向けハイクラス転職エージェント |
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求人数 | 公開求人 12,869件
非公開求人 不明 |
サービス・強み | ・プロによるキャリアカウンセリング
・大手企業や外資系、海外進出企業への転職に強い ・グローバル転職に強い ・転職支援実績約43万人 |
(画像・データ:JACリクルートメント公式サイト ※2022年4月時点の情報)
まとめ:市場価値を知り年収アップの戦略を立てよう
40代の年収について解説しました。
平均年収や高年収業界・企業を知ることで、年収アップの可能性を探りやすくなります。
40代での転職で年収をアップするのは十分に可能です。キャリアの棚卸しをして自分の市場価値を知り、業界研究や企業研究を入念に行い戦略を立てれば、年収アップ転職成功の可能性が高くなります。
情報収集や戦略が不十分なまま焦って転職してしまうと、転職できたとしても年収が下がってしまう可能性があります。転職エージェントに登録し、プロのサポートを受けながら転職活動をすることをおすすめします。
また「年収図鑑」では、各企業の職種や年代別に年収を調べられます。実際にその企業で働いていたユーザーの情報や、各企業の有価証券報告書をもとにしているので、リアルな情報を収集できます。
年収アップ転職の情報収集に、ぜひ活用してみてください。